歌は語るように唱う

歌とは、メロディーを歌うのではなく歌詞(台詞)を「唱う」のです。
「唱う」とは、唱えること。「唱える」とは、声を立て節をつけて読むことを言います。だから、歌は「語るように唱う」と表現するのです。
ちなみに、台詞は「唱うように語る」と表現致します。

メロディーは、作曲家のあらゆる思考が詰まった作品です。その作品に魂を注ぎ込む役割が表現者です。
しかし、ほとんどの歌手がメロディーに執着して美しく歌おうとしてしまう。だから、フレージング(語句の区切り)がなくなり、全く言葉の意味が伝わらないのです。
もとから美しいメロディーを綺麗に歌う必要はありません。そんな余計なことをしたら、料理と同じでもとの良い素材が不味くなるでしょう?(笑)

オペラやミュージカルは、自分自身が主役(一人称)ですから、ただ台詞を語るように唱うこと。
POPSは、例え歌詞の内容が表現者本人の実体験だとしても、聴衆が主役(二人称)ですから、ただ歌詞を語る(代弁する)ように唱うこと。



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